オッズとアウツを覚えて確率的に正しいポーカーをしよう

ポーカーにおいて、オッズとアウツという概念を覚えると、常に確率的に正しい判断ができるようになり、決断が非常に楽になります。

もちろん決断が楽になるだけでなく、もっとも期待値の大きいプレイができます。

初心者脱出のために非常に重要な概念なのでぜひ覚えてください。

オッズというのは確率のことで、勝率的に割に合うことをオッズが合う、オッズがいいなどと表現します。

たとえば

他にコイントスであれば勝率は50%ですね。

これに対して買ったときのリターンが2倍以上ならオッズがいいです。
リターンが1.5倍とかだとオッズが合いません。

こんな感じのことをポーカーにも使えます。
それがポットオッズです。

ポットオッズとは何か？

ポットオッズというのはポットのオッズのこと。
ポットはみんなが出したチップの合計です。

ポーカーでは勝ったプレイヤーがポットを賞金として獲得できます。
では、ポットオッズの計算方法を具体的に説明します。

まず、ポットオッズを超簡単に解説すると

何ドル出していくら返ってくるのか？

です。

要するに

を元に計算します。

たとえば現時点でポットに100ドルありました。
プレイヤーAが50ドルベットしました。
あなたがコールするためには50ドル出す必要があります。
そしてもしこの勝負に勝った場合、リターンは100 + 50 + 50 = 200ドルです。

つまり、50ドル出して200ドルのリターン

オッズは200/50 = 4倍です。

この場合、4回に1回勝てば収支がトントンになります。
つまり勝率が25%以上あればオッズに合うのでコールすべきですね。

スポンサーリンク

アウツというのは、あなたが引けば勝てるカードの枚数のことです。

具体的なハンドを例に出して説明します。

ハンド例1

あなたのハンド22
相手のハンドAK

フロップAK5

あなたが勝つために必要なカード2
2がデッキに残ってる枚数2枚

あなたのアウツは2枚
ターンかリバーに2が出る確率8.4%

ハンド例2

あなたのハンド86
相手のハンドAK

フロップA57

あなたが勝つために必要なカード4か9
4と9がデッキに残ってる枚数4 × 2 = 8枚

あなたのアウツは8枚
ターンかリバーに4か9が出る確率31.5%

アウツの枚数の数え方

アウツの枚数の数え方ですが、意外と簡単なのですぐ覚えられます。
まずポーカーはシングルデッキなので52枚のカードが使われるのが前提です。

で、アウツを考えるときは基本的にデッキの52枚から見えているカードを引いて見えていないカードが何枚あるかで計算します。

フロップ見てる状況であれば見えているカードは
自分のホールカード2枚
フロップのコミュニティカード3枚
で計5枚ですね。

他のプレイヤーが持ってる可能性のあるカードについては一切考えません。

なのでハンド例1であれば見えているカードは

22AK5の5枚

のみです。

あなたが22が勝つには2を引かないといけないわけですが、2は自分のホールカードに2枚あるのでデッキに残ってる可能性としては2枚しかない、ということです。

つまりアウツは2枚です。

ハンド例2の場合に見えているカードは

86A75の5枚

です。

あなたが勝つには4か9を引かないといけないわけですが、4も9も1枚も見えてないですね。
この場合は4枚ずつデッキに残ってる可能性があります。

なのでアウツは4 × 2 = 8枚ある、ということになります。

アウツの数がわかると勝率を計算できる

で、アウツの数がわかるとどうなるかというと、ドローが引ける確率がわかります。

引けば勝てる、という状況であれば勝率がわかるってことですね。

自分が何パーセントの確率で勝てるのかがわかってるか、わかってないかではその後のプレイのしやすさが180度くらい変わります。

勝率15%しかないから諦めよう、とか勝率50%あるから勝負賭けてみようとか、決断の決め手になりますからね。

そしてアウツの数と引ける確率は数学的に計算できるのですでに答えはあります。

スポンサーリンク

アウツの数と引ける確率の関係

これ頑張れば暗記できなくもなさそうですね。

ちなみに計算式も比較的簡単です。
フロップの時点で見えてるカードは5枚、見えていないカードは52 - 5 = 47枚

アウツが8枚あるとして計算してみます。

47枚のうち8枚が勝利カードだとして、ターンで引ける確率は

8/47 = 0.17 = 17%

リバーまでに引ける確率はこれを2倍すれば大体の勝率がわかります。

でもポーカーのプレイ中にこんな計算をするのは天才じゃなきゃ難しいですし、上の表を暗記するのもちょっと大変ですね。

そんな数字苦手って人のために簡易的にアウツの枚数からドローが引ける確率を求める方法があります。

2倍と4倍の法則

それが2倍と4倍の法則です。

ほとんどのポーカープレイヤーはドローの勝率をこの法則を使って計算してます。

どういうことかというと

で計算できるということです。

完全に正確というわけではありませんが2倍と4倍の法則でかなり近い数字が出ます。

例

ただし、アウツの枚数が多くなるほど計算が合わなくなるので注意が必要です。

よくあるドローとしては

• オープンエンドストレートドローが8枚
• フラッシュドローが9枚

ちなみに

• オープンエンドストレートドロー + フラッシュドローはアウツ15枚
• オープンエンドストレートドロー + フラッシュドロー + ツーオーバーがアウツ19枚

です。

ポーカーであり得る最高のドローがこれなんで最大でアウツ19枚ですね。

アウツが14枚を超えるとリバーまでの勝率が50%超えるのでモンスタードローと呼ばれます。

ちなみに私はあるポーカーの大会の予選で2位以上が上位進出で残り3人になり、あと1人倒せば決勝進出という場面でオープンエンドストレートドロー + フラッシュドロー + ツーオーバーというモンスタードローになったことがあります。

ワンペアの相手にオールインされて迷った末確率的には勝ってるのでコールしたんですが見事に引けずに敗退しました。

いくら勝率60%あっても結局運が弱いと引けません＾＾；

スポンサーリンク

次にオッズとアウツを理解するとポーカーで確率的に正しい判断ができるようになる、という話をします。

例えば自分がオープンエンドストレートドローを持っていたとします。
相手がポットの半分の額をベットしてきました。

100ドルのポットに50ドルです。

するとあなたがコールするのに必要な額は50ドル、リターンは100 + 50 + 50 = 200ドルなのでオッズは4倍。

この場合、たとえその時点では負けていたとしても、引いて勝てる可能性が1/4 = 25%以上あるならコールすべきです。

期待値プラスになるので。

オープンエンドストレートドローならリバーまでの勝率31.5％あるのでコールですね。

といっても、たとえ勝率が31.5%のオープンエンドストレートドローを持っていたとしても、引けるのは3回に1回以下なんで引けないことの方が多いです。

つまりその勝負自体はコールしたら負ける可能性が68.5%あるんですね。

じゃあなんでここでコールすべかというと長期的に見たときの期待値がプラスになるからです。

オッズが4倍ということは3回負けても次の1回で勝てば収支がトントン、2回負けて次の1回で勝てば収支はプラスになります。

だから今その勝負に勝てるかどうか、ではなく将来に渡って何度もその決断を下し続けたときに最終的に収支がプラスになるのかどうか、で判断するのです。

これがポーカーにおける確率的に正しい判断です。

ポーカーでは常に確率的に正しい判断をしていれば、理論上は最終的に必ず勝てます。

ここで言う勝てる、というのは収支をプラスにする、という意味です。

ポーカーといえばブラフのゲームというイメージをしている人も多いのですが、そういうブラフなどのテクニックよりも断然大事なのがオッズとアウツを考慮して確率的に正しい判断をすることです。

これができるだけで初心者クラスでは確実に勝てる(収支をプラスにできる)プレイヤーになれるでしょう。

オッズとアウツの概念を実戦で活かすには？

ここまで理論的なことばかり話してきましたが、これだけだと実践で使えるか不安だと思います。
難しい理論ばっか教わっても実戦で使えなきゃ意味ないですよね。

オッズとアウツから確率的に正しい判断を下せるようになるには、ある程度練習して慣れる必要があるでしょう。

ってことでまずオッズ計算の練習をしましょう。

スポンサーリンク

オッズ計算は理論上はとっても簡単です。

何ドル出して
何ドルリターンがくるか？

実際のプレイ中なら

コールするために何ドル必要で
コールしたあとのポットがいくらになるか？

を見ればいいです。

100ドルのポットに25ドルベットされた場合

オッズは150/25 = 6倍
勝率1/6 = 16.6%あればコールすべき

100ドルのポットに50ドルベットされた場合

オッズは200/50 = 4倍
勝率1/4 = 25%あればコールすべき

100ドルのポットに75ドルベットされた場合

オッズは250/75 = 3.3倍
勝率1/3.3 = 30%あればコールすべき

100ドルのポットに100ドルベットされた場合

オッズは300/100= 3倍
勝率1/3 = 33.3%あればコールすべき

100ドルのポットに200ドルベットされた場合

オッズは500/200= 2.5倍
勝率1/2.5 = 40%あればコールすべき

オッズ計算はこんな感じです。

勝率計算を実戦中に暗算でやるのにちょっと手間取るかもしれません。
まぁ実戦でもコールするたびにオッズ計算してればすぐ慣れますよ。

まぁ最初は

と大まかに覚えておけばいいですよ。

では次にアウツから勝率を割り出す練習です。

スポンサーリンク

例1. ツーオーバー

AKを持っていてフロップがJ84

アウツはAとKで3枚 x 2 = 6枚
ターンで引く確率6 x 2 = 12%
リバーまでに引く確率6 x 4 = 25%

例2. オープンエンドストレートドロー + ツーオーバー

87を持っていてフロップが652

例3. フラッシュドローのみ

6s5sを持っていてフロップがAsJsTd

例4. フラッシュドロー + ガットショットストレートドロー + ワンオーバー

As6sを持っていてフロップが3s4s7d

例5. ワンヒットフラッシュドロー + ガットショットストレートドロー

7s4sを持っていてフロップが4d6s8s

相手が8持ってて4のワンペアは負けてる前提で。

いろいろ絡むと計算が複雑になりますね。

これも実戦で計算する癖をつければ自然と早くできるようになるので毎回やるようにするといいです。

このように、オッズがわかれば必要な勝率が割り出せ、アウツがわかれば現時点での勝率が割り出せます。

実戦では

アウツ計算して割り出した勝率 ＞ オッズ計算から割り出したコールするのに必要な勝率

ならコールし、

アウツ計算して割り出した勝率 ＜ オッズ計算から割り出したコールするのに必要な勝率

ならフォールド

というアクションを取れば確率的に正しいプレイ(期待値がもっとも高くなるプレイ)ができます。

これを毎日練習して考えなくても計算できるようになればあなたはポーカー初心者を脱出した、と言えるでしょう。

• オッズというのは何ドル出して何ドルリターンが返ってくるか。具体的にはコールに何ドル必要で最終ポットが何ドルになるか
• アウツというのはドローを引くために必要なカードの枚数のこと
• オッズを計算すると必要な勝率がわかり、アウツを計算すると勝率がわかるので、オッズとアウツがわかると確率的に正しい判断ができる
• ポーカーに置いてオッズとアウツから導き出す確率的に正しい判断はブラフなどより全然大事
• オッズとアウツを計算して確率的に正しい判断が出来れば初心者クラスでは確実に勝てるようになる

ある程度練習したら実践で試しましょう。

オンラインポーカーの始め方！登録から入金方法まで初心者向けに解説！

関連ページ

スターティングハンドとポジションとハンドレンジの関係

ポーカー初心者が最初に覚えるべき戦術はスターティングハンドを絞ることです。 スターティングハンドとポジションとハンドレンジの関係を解説します。

ポーカーのブラフの種類とやり方 私のポーカー人生で最高のブラフの実例

ポーカーといえばブラフです。 ブラフは簡単なようで非常に奥が深くて難しい技術です。 ブラフの種類とやり方を解説します。

ポーカープレイヤーの5つのタイプとタイプ別の対策

ポーカープレイヤーには大きく分けて5つのタイプがいます。 各プレイヤータイプ毎の特徴や対策(攻略法)を解説します。

ギャップコンセプトを理解してハンドリーディングスキルを上げよう

ギャップコンセプトを覚えると、驚くほど相手のハンドを読みやすくなります。 ギャップコンセプトの考え方と、それを利用して相手のハンドを読むやり方を解説します。

スチールの考え方とやり方 リスチールの考え方とやり方

トーナメントポーカーで非常に重要な技術、スチールの考え方ややり方、リスチールの考え方ややり方について解説します。

アウトオブポジションでドローをプレイしてはいけない理由とする場合の対処法

ポーカーのタブーとして、アウトオブポジションでドローをプレイするのはよくないというのがあります。 この理由を解説します。

プロフィール

death
2015年にポーカーと出会い、ポーカーの魅力に取りつかれたポーカー大好き青年。
将来はポーカーのプロを目指している。

現在はポーカーの活動はほとんど休止してカナダにワーホリしながらポーカー修行するための資金稼ぎに励んでいる。